お伊勢山遺跡

お伊勢山遺跡は、現在の早稲田大学所沢キャンパス内にある。
お伊勢山に人の交流が認められたのは局部磨製石斧の出土や、ナイフ形石器、その他の石器製作跡の検出から旧石器時代からと考えられる。   
当時は現在より冷涼な気候環境のもと針葉・落葉広葉樹の森林の中を一定の領域を遊動しながら、丘陵・台地・低地の地形が接するこの地で、そこに集まる動物や植物の狩猟や採集を行っていたと思われる。
●旧石器時代   
遺構なし。礫群及びユニットが発見された。剥片が多数出土した。
ハンマー、掻器、石刃、石核、剥片が広い範囲で出土した。
●縄文時代
お伊勢山とその周辺に広く分布していた。主な遺物は、縄文時代中期の土器・石器であった。遺構は中期の住居跡2基、後期の土壙1基、埋甕3基であった。縄文土器の出土が多く、縄文時代早期から同晩期にわたっている。
●弥生時代
遺構は発見されていない。お伊勢山山麓から低地にかけての地点で後期の土器が若干出土した。集落が営まれていたかどうかは明らかでない。
●古墳時代
五領式の土壙1基、和泉式の粘土採掘坑9基、鬼高式の竪穴住居跡14基、井戸跡1基、土器は甕形土器、瓶形土器、壷形土器、鉢形土器、杯形土器が完形で出土した。
●平安時代
竪穴住居跡、井戸、溝があり、集落はお伊勢山の東側と山麓東・北の平坦面に営まれた。竪穴住居跡14軒、一辺が2m~4mの方形プランで北辺にカマドが造られているものが多い。
溝は幅1m内外で深さも浅いが台地下端にそって全延長200mは超えると思われる。溝からは土師器、須恵器の細片が多量に出土した。また、完形の杯形土器も発見された。布目瓦片は20~30点出土した。
井戸は2基。いずれも円形素掘である。

【参考資料:所沢市史】