砂川遺跡

1.位置
所沢台の西北、所沢市三ヶ島3丁目1075番を中心とする南に東川、北に砂川の谷に挟まれた幅約500mの高台

2.発掘調査
・昭和40年(1965)三ヶ島在住の本橋清氏の石器収集に始まる。

・昭和41年10月24日~11月1日(9日間)明治大学考古学研究室の発掘調査(右図A地点)

ナイフ形石器を主体とする総数359点の石器群の検出。

・昭和48年(1973)2月3日~10日(8日間)所沢市教育委員会の企画のもと第2次発掘調査(右図F地点)

A地区と同じ特徴を備えたナイフ形石器410点の石器群を検出。

3.年代
砂川遺跡の地層の重なりと武蔵野台地の標準的な層序区分を比較してみると、石器出土層は理化学的な年代算出法によって今から13,300年前(旧石器時代)と測定される。
                   
4.石器の原料
掌大の大きさをもつ珪岩や疑灰岩の礫
         
5.国指定重要文化財
国の重要文化財に指定されている砂川遺跡出土のナイフ形石器は縦長の剥片(石の破片)を素材とする細長い形態で二側縁加工と呼ばれている。(右図)

これは後期旧石器時代の中頃から後半、武蔵野台地において「砂川期」と呼ばれる一時期を示す「示準石器」(一定の年代を決定する指標となる石器)として大変重要な資料となった。

6.砂川遺跡の成果
①「砂川型刃器技法」と呼ばれるナイフ形石器の製作工程を復元した。
②原石から石器を製作する過程を復元した。
検出された769点の石材は接合作業の結果66個の原石に復元することができた。そのうち、残核は11点あった。したがって、原石から石器までの石器製作過程が全て砂川遺跡で行われたものではなく、原石から打面調整の状態で持ち込まれたケースや、その逆のケースで運び出されたケース、更には完成品として運び込まれたケース等が想定される。

【参照文献】
・「所沢市史-原始・古代資料」(所沢市史編さん委員会編集)
・「ところざわ歴史物語」(所沢市教育委員会編集・発行)

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