法華寺の焙烙灸体験

日  時:7月21日(木)13:30
集合場所;中央公民館
参 加 者:歴史散策クラブ17名、野老澤の歴史をたのしむ会13名
元町の法華寺では例年土用の丑の日に、故事にならった「焙烙灸」が行われていることを聞き、体験をさせていただくことにしました。
今回は、ところざわ倶楽部で同じ歴史を学ぶ「野老澤の歴史をたのしむ会」の皆さんと一緒でした。
中央公民館前の道を直線に5分程歩くと学校新道です。ここを左折し100mの所に、樹齢150年余といわれている2本の銀杏の樹を三門とする法華寺があります。


○法華寺
明治初年に法華経信仰の講社の教会場として発足。
当初からお曼荼羅を本尊とし、鬼子母尊神が守り本尊として勧請され「南原(みなみっぱら)の鬼子母神様」として親しまれていました。
戦前までは信者は所沢町を中心として、川越、三芳、東久留米、東村山、立川、秋川、八王子、入間川、飯能の各方面におり、その数は当時の下足札の数が2,000余枚といわれ大変な数だったようです。
現在、宗教法人法華寺として、法華経を所依りの経典とし日蓮聖人尊定の大曼荼羅を本尊としています。(法華寺の資料による)
○焙烙(ほうろく)灸
参加者が大勢なので2回に分けて行われました。住職の読経が始まり、暫くすると護符と親指大の蓬を3つのせた素焼きの焙烙が配られ、護符・焙烙の順に頭の上にのせると蓬に火がつけられます。
やがて、狭い本堂は蓬の煙で包まれます。頭上の熱も最高潮です。“心頭滅却すれば火も・・・”などと思ってはみても、なかなかそうにはならないようです。我慢できず、焙烙を頭から持ち上げた方も多かったようです。
やがて火が消えると住職が経文で一人ひとりの身体を摩りながら、大きな声で身体健全・悪魔退散・災難厄除などを唱え祈願します。この間、10~15分ぐらいでした。
写真でこの光景を初めて見る限り、この人たちはいったい何をしているのかと不思議に思われる人が多いに違いありません。正面から見れば神妙な顔が苦行の顔となっています。
まさにこれが“現代人へのお灸であった”そんな体験をした気がしています。
○焙烙(ほうろく)灸の由来
焙烙灸は、「鎌倉時代、普段から頭痛持ちの武将が、夏の土用の戦の最中に鎧兜姿で落馬をしてしまい、其の時ある僧が通りかかり、武将の兜の上から握りこぶし大の蓬を据え火をつけて祈祷したところ、たちどころに頭痛が治り武勲をたてた。」という故事にならって、日蓮宗に伝わったといわれています。
法華寺の焙烙灸は、明治36年「北田斧吉日記」に焙烙灸の記述があり、鬼子母神が祀られた当初からの行事であったともいわれています。
法華寺・長谷川康栄住職は、私達の焙烙灸祈祷会体験ために、かつてご住職をされていたご兄弟を新潟からお呼びして対応していただきました。

大変有意義な体験ありがとうございました。 
                              【大河原氏から投稿】