廻国雑記からみた中世の所沢

日時:2012年8月25日(土)10:00~12:00
場所:東公民館
講師:門内氏
門内氏の講義「廻国雑記」からみる中世の道から、主に所沢に関わる部分のみを抜粋した。
☆「廻国雑記」
聖護院門跡道興准后が、文明18年6月から翌年5月にかけて約1年にわたり、北陸、東国、みちのくの諸国へ旅をし、その覚書として記したもの。
「廻国雑記」には約300の地名が登場し、歴史の中に埋もれた地名などについての貴重な資料になっている。
☆聖護院門跡道興准后とは
関白近衛房嗣の二男として永享2年(1430)に摂関家に誕生。幼くして仏門に入り、聖護院24世の門跡となった。「廻国雑記」は56歳の時のもの。
☆廻国雑記にみる所沢
ところ沢といへる所へ遊覧に罷りけるに、福永といふ山伏、観音寺にてささえをとり出しけるに、薯蕷(【ショヨ】山芋のこと)といへる物肴にありけるを見て 俳諧

 野遊びの さかなに山の いもそへて ほり求めたる 野老沢(ところざわ)かな

此の所を過ぎて、くめくめ川という所侍り。里の家々には井なども侍らで、ただ此の河を汲みて朝夕用ひ侍るとなむ申しければ、里人のくめくめ川と夕暮れになりなば、水はこほりもぞする
(以下省略)
観音寺は所沢市宮元町にある新光寺のこと。
正式には遊石山観音院新光寺 真言宗豊山派 
開山は天平年間




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