紅葉の御嶽渓谷を歩く

日時:11月11日(土) 9:00所沢駅2F改札口内集合
〈行き〉
9:07          9:10 / 9:14国分寺行   9;16 / 9:22拝島行   9:37 / 9:49JR青梅行・特快      10:07 / 10:13始発・奥多摩行     10:31()
所沢 ➡  東村山 ➡   小川  ➡   拝島   ➡       青梅    ➡    御嶽
《散策コース》
御嶽駅(10:40)⇒御岳橋(10:45)⇒玉堂美術館(10:55-11:20)⇒御岳小橋(11:25)⇒昼食(11:30-12:00) ⇒鵜の瀬橋(12:10)⇒楓橋(12:20)⇒寒山寺(12:25-12:40)⇒澤乃井園(12:45-12:55)⇒福島家(13:00-13:20)
沢井駅(13:25)
〈帰り〉
沢井  ➡  青梅   ➡   拝島   ➡    小川   ➡  東村山  ➡  所沢
●費用
交通費:¥1,240円(往復)
玉堂美術館入館料:400円(通常500円のところ割引券使用で)
●装備/持物:トレッキング・シューズ又はスニーカー、ストック、軍手、レジャー・シート、雨具、弁当。
《みどころ》
1.御岳渓谷
青梅市の西部、JR青梅線沢井(さわい)駅から御嶽(みたけ)駅南方にかけての多摩川の渓谷で、沢井駅南の吊(つり)橋の楓(かえで)橋から上流の御岳橋までの約4キロメートルをいいます。
関東山地を深く侵食した渓谷で、両岸に遊歩道があり、春の新緑、夏の清流、秋の紅葉、冬の雪景色など、四季折々の渓谷美に加え、遊歩道付近には美術館が点在し、 また、カヌー、ボルダリングなどを楽しむ人々も多く、 芸術とスポーツも 満喫することができるコースです。
御岳橋のたもとに1961年(昭和36)開館の玉堂(ぎょくどう)美術館があり、その庭園は京都の龍安寺(りょうあんじ)を模したといいます。
楓橋の南詰めに中国蘇州(そしゅう)の寒山(かんざん)寺を模した大日本寒山寺があります。
2.玉堂美術館
玉堂美術館は日本画壇の巨匠・川合玉堂が昭和19年から昭和32年に亡くなるまでの10余年を青梅市御岳で過ごしたのを記念して建てられました。建物は、数奇屋建築の名手で芸術院会員の故・吉田五十八氏の設計で、奥多摩の自然と見事に融合しています。
庭園は、中島健の代表的作品のひとつで、多摩川の御嶽渓谷に面し、多摩川の石を用いた枯山水庭園です。吉田五十八による玉堂のアトリエ風建築と一体となったこの庭園は御嶽渓谷の景観を活かしており、多摩川の石を使った石組みは秀逸であります。
玉堂は、自然を愛し、人を愛し、土地の人々からも慕われていました。玉堂の愛してやまなかった御嶽渓谷に美術館を建てよう、との声が上がり、香淳皇后陛下をはじめ諸団体、地元有志、全国の玉堂ファンより多大の寄付が集まり、没後4年の昭和36年5月に早くも美術館が開館しました。玉堂は伝統的な日本画の本質を守り、清澄にして気品のある独自な作風を展開しつつ、明治・大正・昭和の三代にわたって、日本学術文化の振興に貢献されました。
展示作品は、15歳ごろの写生から84歳の絶筆まで幅広く展示されます。展示替は年7回行われ、その季節に見合った作品が展示されています。
3.遊歩道からの景観
4.「お山の杉の子」の歌碑
ゆずの里「勝仙閣」裏に「お山の杉の子」の歌碑があります。
「お山の杉の子」は「月の砂漠」や「京人形」などの名曲を作曲した佐々木すぐるの作曲で吉田テフ子が作詞しました。氏は度々御嶽渓谷を訪れており、緑豊かな御岳の自然をこよなく愛していました。昭和19年に作曲された「お山の杉の子」はこの土地の美しい杉木立の山々によって誕生したものです。
歌碑は佐々木すぐる生誕100年を機に平成9年3月に建立されました。
碑の歌詞は、発表当初からこの曲を歌っていた安西愛子が書かれ、楽譜は佐々木すぐる直筆の原稿です。
5.青年の像
青年の像は、楓橋のすぐ上流の巌頭に下流に向かって建っています。この像は作者の朝倉文夫の遺族から寄贈され、昭和39年(1964)11月に現在の位置に建てられました。
朝倉文夫は明治16年(1883)大分県に生まれ、明治40年(1907)東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業し、その翌年に文展に出品した「闇」以来連続受賞し、写実的作風で官展界に重きをなした肖像彫刻の第一人者でした。
氏は昭和20年(1945)3月から翌年まで平溝(青梅市二俣尾5丁目)の高源寺などに家族と一緒に疎開していました。また、長く母校の東京美術学校の教授を務め、芸術院会員にもなり、昭和23年(1948)に81歳で没しています。
6.澤乃井園
【山の井戸】
現在地の沢井は、その昔、「澤井村」と呼ばれており、その地名に因んで命名されました。
「沢井」とは、豊かな名水が沢となって流れるところからつけられた地名です。昭和42年(1967)に見学者用の施設として「沢乃井園」を開設し、観光酒造としての第一歩踏み出しました。
澤乃井園は、多摩川のほとりに広がる小沢酒造の商業用庭園です。
園内にある売店では、澤乃井の酒、わさび漬け、酒まんじゅうなど、数々のお土産ショッピングができます。また、軽食もでき、生原酒タンク量り売り、手作りまんじゅう、その他 酒の肴もあります。
川沿いにあずまやがあり、澤乃井園でご購入した料理を食べることができます。豊かな自然が残る御嶽渓谷の自然散策や、ハイキングなどの際にくつろぎの場として好評です。
ただし、飲食物の持ち込みはできません。
7.白秋歌碑
北原白秋は大正12年(1923)3月に御岳山に登り、その帰りに沢井の酒造に立ち寄りました。
その時、長歌の一篇として造り酒屋の歌を詠じています。
歌碑には、長歌の返歌“大御代の多摩の酒屋の門櫓(かどやくら) 酒の香(か)さびて名も古(ふ)りにけり 西多摩の山の酒屋の鉾杉(ほこすぎ)は三もと五もと靑き鉾杉”のうちの後半が刻まれています。
この碑は、昭和42年(1967)3月にこの酒造の庭に建てられました。碑面はこの長歌が載っている本、『篁(たかむら)』の初版の活字を拡大したものです。
碑の設計などに携わったのは、同郷(筑後)の後輩で、詩人の野田宇太郎氏です。碑は鉾杉の形に似た自然石を選んでいます。

8.寒山寺
この寺は、明治18年、時の書家、田口米舫氏が中国に遊学した折、姑蘇城外の寒山寺(中国 江蘇州 蘇州市 姑蘇区にある臨済宗の仏教寺院)を訪れ、主僧の祖信師より、日本寒山寺建立を願って、釈迦仏木像一体を託されました。
帰国後、米舫氏は適地を求めて日本全国を遍歴中、この地を発見、地主の清酒澤乃井醸造元当主小沢太平翁の尽力によって昭和5年に落慶しました。
青梅線の開発に伴い、中国の故事を慕って当時の文人墨客が大勢訪れ、川畔の割烹旅館「紅葉亭(現・ままごと屋)」に滞在していました。
寒山寺の格天井には当時の院展級の大家による揮毫(きごう)が今も華やかさを伝えています。寒山寺に欠かせない梵鐘は第二次大戦中に供出されましたが、昭和40年8月鐘楼と共に梵鐘が再建されました。昭和45年には河合玉堂門下二十四画伯(宇佐美江中氏ほか)の揮毫を得て鐘楼の格天井も復元しました。その後、傍らの多摩川には楓橋がかけられ、遊歩道も整備されました。
◆中国寒山寺
中国 江蘇州 蘇州市 姑蘇区にある臨済宗の仏教寺院。
蘇州の旧市街から西方の楓橋鎮にあり、天台山の三賢といわれる、寒山(かんざん)・拾得(じっとく)・豊干(ぶかん)の像が安置されています。
創建は、南北朝時代の天監年間(502~519)といわれ、寒山寺の名は天台山三賢の一人寒山和尚がこの地に住んだためと伝えられています。
現在の寒山寺は、元代の末(14世紀)より度々の火災で焼失して往時のおもかげはないそうです。日本では、唐の詩人、張継の「楓橋夜泊(ふうきょう やはく)」によって親しまれ訪れる人も多いそうです。
         《楓(ふう)橋(きょう)夜(や)泊(はく)》
月落烏啼霜満天  月(つき)落(お)ち烏(からす)啼(な)きて霜(しも)天(てん)に満(み)つ
江楓漁火対愁眠  江(こう)楓(ふう)漁火(ぎょか)愁眠(しゅうみん)に対(たい)す
姑蘇城外寒山寺  姑蘇(こそ)城外(じょうがい)の寒(かん)山寺(ざんじ)
夜半鐘聲到客船  夜半(やはん)の鐘声(しょうせい)客船(きゃくせん)に到(いたる)る

9.福島家住宅
庭先で集合写真を撮っていると中年の女性がやって来た。丁度良いと思いシャッターを押してもらうと、女性は「中を見学しますか?案内しますよ」と云ってくれた。女性はこの屋敷の夫人だった。
日頃は非公開となっている家屋なのでまったく予期せぬ出来事であった。私たちは即座にお願いした。
夫人の案内で私たちは「式台玄関」から客人?として部屋に通された。
案内によると、この家屋は江戸初期から名主を勤めた福島家の住宅として18世紀中期に建立。入母屋造り、茅・杉皮葺き、平屋建て。都指定有形文化財(平成6年3月22日指定)です。
家屋は、式台玄関を備えた格式ある構えで、江戸末期以前の特徴である喰違い六つ間があります。
玄関から中の間、奥の間を通り客室である床の間へと続く3室が接客空間でした。
一方、太い小屋梁を見せる土間台所とアガリハナ・勝手(ともに板の間)、居間である座敷、寝室の納戸が生活空間になっています。勝手には囲炉裏も残されるなど、改造はなく、手入れが行き届いていて、大切に住み継がれていることが分かります。
春は庭のツツジが見事だそうです。篠田正浩監督・岩下志麻主演「はなれ瞽女(こぜ)おりん」(1977年)のロケにも使われてたそうです。
担当:1班

コメント

我逢人 さんの投稿…
★当日は天候もよく、楽しい一日でした。
 都合で早引けをしましたことお許しください。   Ohkさんより
★天気もよく渓谷の美しい景色、玉堂の絵や石庭に満足しました。
 ありがとうございました。    Sh-iwaさんより
★ハイキング日和を楽しんでまいりました。
 玉堂美術館、20年ぶりぐらい前のことで記憶も薄れておりました。
 寒山寺は初めてでしたので、嬉しかったです。
 歴史散策クラブで、行ったことのない所に行くことが出来るのを有難く思います。
 なるべく参加するつもりですので、よろしくお願いします。   Nosさんより
★快晴無風で本当に心地よい散策でした。
 又、ブログも散策時の思い出に浸りながら楽しく拝見しています。
 何時も乍ら見事な編集ですね。これからも楽しみにしております。   Takaさんより